阿佐田のblog

趣味はイラストや旅行。元看護師で保健師学生やってます。最近、やりたことはPythonのプログラミング

ぬるい気持ちで看護師になったら、地獄

 どうも、看護学生時代に地獄をみた阿佐田です。今回はちょっとネガティブなお話です。突然ですが、看護学校の退学率をご存知ですか?看護の3年の短大で6.2%、3年の養成所で11.3%(H15)です。一般的な大学・短期大学・専門学校の退学率は2.65%(H24)に比べ、看護は非常に高い退学率がわかります。特に都心にある某医校の看護学科は学費、ばかり高く退学率は60%!なんて話もあり、一般の大学や専門学校と同じ感覚で入ると痛い目をみます……。特に就職率や国試の高い合格率を謳っている学校はできない人は途中で落としている可能性があるので要注意です。

 ちなみに、私の周りでは、どんな人が落とされたかというと、話が通じない、課題が期限までにできない、共感性がない、空気が読めないなど発達障害の傾向がある人です。特に今まで学科試験は問題のなかった人でも、実習で落とされるパターンが多かったです。実をいうと私の落とされそうになった人間の一人です。ちなみに、実習は、記録が大変で1日4時間しか寝れないというのはよく聞く話です。(大学より、専門の方がカリキュラムが過密で大変なことが多いとか)

 看護って、はっきりした正解のないものなんですね。同じ疾患でも、看護計画は個別性を入れてその人に寄り添いなさいと言われます。また、指導する看護師でも人によって言うことが違うことも多々あります。さらに、多重課題で色んなことをこなしながら臨機応変に動くってかなり生まれつきのセンスが問われます。

 個人的に看護師に向いている人は人の役に立ちたい・喜んでほしいと思える人、社交性があるひと、ダンスやスポーツ、料理が得意な人(身体を動かすのが得意・手先が器用)、接客サービス業のバイト経験が楽しかった人です。

 逆に向いていない人は、おっちょこちょい、変わってる・マイペースと言われる、愛想笑いが苦手、課題の提出がいつもぎりぎり、やり方に強いこだわりがある、マニュアル通りにしたい傾向がある、物凄い指先や身体を使うのが不器用、グループワークやチームでの作業が苦手な人です。

 これあくまで主観的なものなので、向いていない方に当てはまったからといって、そんなにがっかりしてないでくださいね。

 人間は適材適所という言葉があります。無理に合わないところにいるのは、自分にとってストレスだし、本来の能力をいかせずもったいないと私は思います。

 正直、私自身はおっちょこちょいで、愛想笑いが苦手、身体を動かすのが不器用など全く看護師には向いていないタイプでした。それでも、なんとか卒業はできましたが、今現在、自分の適性を考えると、責任の重さから高度な治療に関わる病院で働きたいとは思いません。正直、学生時代に親の言うまま、手に職つけようと考え、看護師になりましたが、自分の適性を考えていればよかったと思います。

 他にも看護師の大変さというのは、端的に言えば、看護学校卒業したからといって知識は全然足りず、日々勉強が必要であったり、命にかかわる責任のある仕事でありながら、職場は人手不足で多忙であったり、女ばかりの社会で高度なコミュニケーション能力が求められることが多かったりするところではないでしょうか。

 また、当然ですが、看護師は療養上必要であれば、おむつ交換や陰部洗浄など、いわゆる、下の世話のようなこともします。そんな仕事するとは思わなかったことがないように、業務内容はきちんと調べておきましょう。

 マイナス点ばかり多く挙げてしまいましたが、看護師のいいところは、コスパの良さです。大学や専門で3年、4年の勉強して、資格を取れば、そこそこ稼げるようになります。(だいたい20代で年収300~450万くらい)

 また、求人も多く(人手不足ともいえますが)一度仕事をやめてもすぐ再就職できます。今時、アルバイト(関東近郊)で時給1800~2000円をもらえるのは、看護師、薬剤師・塾講師くらいだと思います。看護師は責任は重いですが、これほど稼げる仕事は珍しいと思います。

 他にも看護師のいいところは、仕事で感謝されることも多く、やりがいを感じられたり、医療知識あると自分自身の健康や子育て、介護など幅広く役立てたりできることです。また、一度、ある程度の経験を積んでしまえば、仕事で離島に行けたり、国際ボランティアにも参加できるたりと色々な可能性があります。

 このように安定して稼げ、人の役に立つ仕事ではありますが、夜勤による不規則な生活職場の人間関係持病の悪化(腰痛、喘息、うつ等)などで看護師を続けたくない、続けられないという人も多く離職率も高いです。

 手に職をつけたいとか、家族が医療関係者で勧められたとか安易に看護師になろうとせず、自分の適性やどんな風に働きたいか、ぜひもう一度考えてみてください。最後まで読んで下さりありがとうございました。

 時間があれば、准看護師はとるくらいなら、正看護師をとった方がいいという記事をしていきたいと書きたいと思います。

参考:厚生労働省:医療安全の確保に向けた保健師助産師看護師法等のあり方に関する検討会 第2回資料

   学生の中途退学や休学等の状況について:文部科学省